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新卒初任給の引き上げより中間層の基本給引き上げをした方が良いと考える理由

近頃、新卒初任給の引き上げが話題になっていますよね。それ自体は非常に良いことだと思います。

物価も上がっているので、賃金ベースを上げるいい機会だと思います。

しかし、闇雲に新卒初任給を上げることが意味あることなのかがわかりません。実際に僕は、今年の春から新卒なのですが。

むしろ僕は、新卒よりも中間層の基本給を上げたほうが良いと考えています。今回はなぜそう思うのかを解説していきます。

日本は言わずもがな少子高齢化

ずっと言われていることですが、日本は少子高齢化です。若い労働力を雇おうと思っても年々雇えなくなっているのが実情です。

そんな時に、希少価値のみで若い労働力だけを評価していて良いのでしょか。若い労働力が少なくなるということは、今後会社内では中間層が主軸になってきます。

では、中間層が辞めてしまったらどうなるでしょう。会社の大部分である中間層がいなくなってしまったら会社は人手不足になります。

若い労働力は必ずしも期待に答えてくれるわけではありません。中間層がいなくても若い人がいれば会社は回せるは幻想です。

中間層は日本の労働市場において軽視してはいけない存在だと思います。

新卒社員は使えるか使えないかは入ってみないとわからない

当たり前ですが、新卒社員が使えるか使えないかは入ってみなければわかりません。なので、使えない新卒を高い初任給で雇ってしまうと会社にとっては損失でしかありません。

使えるか使えないかは分からないが、使える新卒は高い初任給を出さないと来ないだろと言いたい人もいると思います。

それはその通りです。しかし、それは必ずしも新卒である必要性はあるのでしょうか。会社が魅力的な会社なのであれば、後からでも入ってくるのではないでしょうか。

これまでとは違い、若い人の転職意欲は高いです。新卒で入ったからといって辞めないわけではありません。学生にとって新卒はあくまでも、はじめの一歩なんです。

若い労働者は社会に対して意味あることをしたい

特に最近の傾向として、若い労働者は社会に対して意味のあることをしたいという傾向が強いです。

例えば、保険のセールスマンは稼げる仕事ではあると思います。それは保険の利益率の高さ所以なのでしょう。

しかし、若い労働者は民間保険が社会にとって役に立たないことを知っています。それは情報社会になったおかげでしょう。

稼げる仕事であっても、それが社会にとって意味のないことなのであればしたくはありません。初任給が高いだけでは意欲のある若い労働者には響きません。

若い労働者はお金が必要ないわけではない

これを聴くと若い労働者はお金ではなく、やりがいを求めている。だから賃金を上げる必要性は無いと考える輩がいます。

しかし、それは違います。若い労働者は確かにやりがいを求めていますが、それと同時に適切な報酬を求めています。

成果を出したのであれば適切に評価され、報酬が欲しいです。お金のために働いているわけではありません。

ただ、自分を安く買い叩かれるのは嫌なんです。社会に役に立つことをしたのであれば、社会にも自分を認めて欲しいです。

若い労働者と中間層は考え方が変わってくる

若い労働者は、これから社会に貢献したい。これから新しいことにチャレンジしたいと考えます。それはまだ何もしていないからです。

一方中間層は、ある程度チャレンジをしては成功も失敗もしています。家族も出来て、新しいライフスタイルを確立しなければいけません。

確かに、中間層でもやる気に満ち溢れた人もいるでしょう。しかし、人間年齢を重ねると脳機能は衰えていきます。どうしても新しいことよりも慣れたものに行きがちです。

それは悪いことではありません。重要なのは、若い労働者と中間層を同列に語ってはいけないということです。僕は違う評価軸で評価したほうが良いのではと考えています。

若い労働者は基本給よりも歩合給

若い労働者は、安定した固定給よりも、自分の成果に応じて支払われる歩合給の方を望みます。

全ての若い労働者が当てはまるわけではありませんが、意欲のある若い労働者は適切な評価を望みます。

むしろ高い基本給の中に、成果報酬も含まれていると言われた日には幻滅です。例えば、何かとサービスに基本料金がありますが、あれも同じですね。

基本料金の中にサポートやメンテナンス費用がかかっているのだと。なぜ頼んでもないのに勝手にそんなことしてるんだという話です。

勝手に基本給の中に成果報酬を入れなくていいです。それよりも、成果を出した時に適切に評価できる制度を整えて欲しいです。

中間層は歩合給よりも安定した基本給

これもまた全員ではありませんが、中間層は歩合給ではなく安定した基本給を望みます。

それはライフスタイルが若い労働者とは異なるからです。家族もでき、身体の変化もあります。両親の介護なども気がかりでしょう。

中間層の本音は真面目に働くから、給料の変動を少なくして、年齢に応じた高い基本給が欲しいというところでしょう。

中間層は、ある程度働いてきたわけなので、仕事が出来ないわけではありません。給料分の仕事をすることは可能です。

若い労働者は歩合給、中間層は基本給という評価軸で評価したほうが良いのではないでしょうか。

日本は年功序列。だからこそ評価軸はわけるべき

日本は年功序列です。年齢を重ねるごとに基本給が増えていきます。それは、年齢が高くなるほど必要になるお金が増えていくという考えに基づいています。

これは中間層にとって理想です。必要な時に高い給料がもらえるのは最高です。しかし、若い労働者にとっては酷な制度です。

なぜなら、成果を出しても適切に評価をしてもらえないからです。ではどうしたら良いのでしょうか。

それは、若い労働者と中間層の歩合比率を変えることだと考えています。中間層は基本給も高くて、若い労働者と同じ歩合給であれば優遇されすぎですよね。

であれば、若い労働者は中間層よりも歩合比率が高い。成果次第で中間層よりも給料が高いという制度にしてしまえば両者納得できるのではないかと思います。

新卒で無理に採用しなくて良い

今や、新卒の人は転職するつもりで就職します。無理に新卒で雇わなくても、若い労働者は自分が一番輝けるところに自ら移動します。

つまり、会社は新卒が優遇される制度ではなく、中途で入ってくる労働者。つまり、新卒で入ってこなかった労働者を優遇する制度を整えた方がコスパが良いんです。

では、新卒で取り逃した優秀な若い労働者をどうしたら転職してきてもらえるのでしょうか。

それが、中間層の賃上げです。新卒初任給だけ高くても意味がありません。むしろ、転職が当たり前の時代だからこそ、中途で入ってくる人に魅力的に見えなければいけません。

新卒採用活動はむしろ中途採用のために行う

会社側は、むしろ新卒採用活動は中途採用のために行ったほうが良いと思います。

先程、新卒の人は転職するつもりで就職すると言いました。どんなに新卒の初任給を上げても一定の割合で転職します。

であれば、狙うべきは新卒者の転職です。新卒の就職活動では多くの企業を受けます。その中で、転職者に優しい会社は転職候補に挙がるのではないでしょうか。

新卒採用活動で良い印象を残し、別の会社で社会人基礎力を訓練され、最終的にその若い労働力を中途採用で手にする。

これはどちらもwin-winなのではないでしょうか。

中長期的に中間層の基本給引き上げこそが優秀な人材獲得に繋がる

新卒初任給を引き上げることは悪いことではありません。しかし、新卒は本当に高い基本給を望んでいるのでしょうか。

僕は、高い基本給よりも成果に応じた高い歩合給を望んでいるのではないかと考えます。さらに、新卒者は転職するつもりで就職します。

中間層の基本給が低ければ、優秀な人材は転職してきません。さらに、例え高い初任給で採用しても転職されてしまいます。

なので、新卒の初任給を上げるのではなく、新卒の成果報酬を中間層と比べて高く設定し、新卒の転職者にとって優しい中間層の基本給引き上げが必要なのではないかと思います。

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