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高額療養費制度改正の実態と僕の意見 – 現役世代と患者の視点から

高額療養費制度改正の背景と仕組み

高額療養費制度とは、医療費が一定金額を超えた場合、その超過分が払い戻される仕組みです。

たとえば、年収約370~770万円の世帯では、現行では1か月あたりの自己負担上限額が80,100円ですが、改正後は約88,200円に上がるとされています。

また、年収1,160万円以上の高所得層の場合は、現行の25万2600円から改正後は44万4300円にまで上がり、実に約19万円の負担増となります。

医療費が100万円かかったとき、年収500万円の世帯では約9万円、年収1,700万円の世帯では25万円の自己負担となるため、所得が高いほど負担増が大きくなります。

低所得層や住民税非課税世帯は、引き上げ率が約2.7%と低く抑えられており、影響は限定的とされています。

近年、国全体の医療費や高額薬剤の普及、また平均給与の上昇などの背景から、制度の持続性を確保するための改正が求められており、政府も現役世代の保険料負担軽減とのバランスを図る意図でこの見直しに踏み切ろうとしています。

所得別に見る負担増加の影響

具体的な数字を見ると、改正による自己負担上限額の引き上げは、年収によって大きな差が出ます。

中所得層(年収370~770万円)の場合、上限が約10%引き上げられるのに対し、高所得層(年収1,160万円以上)では実質的な負担増が大きく、月々19万円近くの増加が試算されています。

これにより、同じ1か月に医療費が1,000,000円かかった場合、低~中所得層と高所得層で支払う金額の差がさらに顕著になり、家計に与える影響も大きくなります。

一方で、低所得層については、現状の制度改正による上昇率が低いため、家計への負担は相対的に少なくなっています。

こうした数字は、国民の生活実態や医療費負担の公平性を見直すための試みとして理解できますが、一方で、どの所得層にもある程度の負担増が避けられない現実が示唆されています。

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僕個人の視点と懸念

僕自身は今は健康で、日常的に高額療養費制度を利用する立場ではありません。

しかし、いつ自分がこの制度を必要とするかは予測できず、病気やケガで治療が長期に及ぶ可能性も考えられます。

たとえば、一生治療を続けなければならない難病の患者にとって、改正により自己負担が増えることは大変な負担となるでしょう。

また、政府が現役世代の保険料負担を軽減するため、高齢者や医療費が多くかかる人から資金を取り、全体のバランスを図ろうとしている意図も理解できますが、結果として現役世代や健康な人々の生活に悪影響が出る恐れもあります。

つまり、制度改正には「誰が、どのような立場で、どれくらいの負担増を受け入れるか」という難しいジレンマがあり、僕自身もその答えを見いだせないです。

まとめと今後の展望

今回の高額療養費制度の改正案は、医療保険制度全体の持続可能性を確保するために、国民の負担能力に応じた仕組みを再構築しようという試みです。

しかし、具体的な数字やシミュレーションを見ると、特に中高所得層や高額な治療を受ける人にとっては、かなりの負担増となることが予想されます。

僕はこの改正案について、病気で苦しむ人々の負担が増えてしまう点に強い懸念を感じています。

一方、制度の維持のためには現役世代の負担を一定程度求める必要もあり、どちらの側面も理解できるため、正直なところ答えが見つからず、複雑な気持ちです。

今後、国や専門家による十分な議論や、患者団体の声を反映したよりバランスの取れた制度設計が求められるでしょう。

僕たち一人ひとりも、制度の変更が自分たちの生活にどう影響するかをしっかりと知り、備えていく必要があると感じます。