株式市場の誕生:投資の始まり

積立投資の歴史は、18世紀後半の産業革命に遡ります。当時、工場や鉄道といった巨大プロジェクトを実現するために、個人から少額ずつお金を集める「株式市場」が生まれました。企業は株式を発行し、投資家はそれを買うことで資金を提供し、利益を得る仕組みです。
えば、鉄道会社にお金を出した人が、その鉄道が成功して利益を上げれば、そのお金の一部を「配当金」として受け取ることができます。このように、投資は企業の成長を支えると同時に、人々が自分のお金を増やす手段となりました。
アメリカの401(k)プランと個人の資産形成

第二次世界大戦後、アメリカでは経済が急成長しました。その中で登場したのが「401(k)」という退職金制度です。それまでは、会社が退職後のお金を保証してくれましたが、この制度ができてからは、個人が自分で資産を積み立てて運用する方法が主流になりました。
例えば、給料の一部を毎月少しずつ投資に回し、老後に向けてお金を増やす仕組みです。この401(k)制度は、企業に頼らず、自分でお金を管理する意識を育て、多くの人が退職後も安心して生活できる手助けとなりました。
日本の新NISA制度とその特徴

日本でも、少子高齢化や年金への不安から、個人の資産形成が注目されるようになりました。そこで作られたのが「新NISA」という制度です。この制度では、投資で得た利益に税金がかからないため、少額からでもお得に始められる特徴があります。
例えば、月に1万円を新NISAで積立投資すると、利益がまるごと手元に残るため、長期的に見ると非常に大きな効果があります。この制度は、投資を始めたいけれど不安がある人でも安心して使えるよう設計されています。
具体的な投資先と長期的な考え方

積立投資を始めるなら、分散投資ができる「VT」(全世界株式)や「VTI」(全米株式)がおすすめです。これらは低コストで、たくさんの企業に分散して投資できるため、リスクを抑えつつ安定した成長が期待できます。
また、「今は株を買うべきではない」「株価が高い」といった意見を耳にすることもあるでしょう。しかし、こうした意見はどの時代にも存在するものです。重要なのは、短期的な上下に惑わされず、コツコツと積立を続けることです。
例えば、毎月同じ金額を投資する「ドルコスト平均法」を使えば、株価が高いときには少し買い、安いときにはたくさん買うことで、平均的な価格で株を購入できます。これが積立投資の大きなメリットです