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【会社員1年目が語る】会社員で生きるとは

僕は大学を卒業後、新卒で入った会社を2ヶ月で辞めて、1ヶ月の無職を経験したのちに、今の会社に拾ってもらった会社員です。

せっかく拾ってはもらったものの、人とわざわざコミュニケーションを取るのが面倒くさく、細かい作業も嫌いなため、会社員としての息苦しさを感じています。

そこで今回は、僕のあっさ〜い経験から考える、会社員で生きるとは、こういうことなんじゃないかなぁということをお話させていただきます。

日本における会社員の歴史

まず初めに、僕たちはなんとな〜く会社員をやっていますが、そもそも日本人はいつから会社員をやり始めたのでしょうか。

生まれた時から、ほとんどの人の親は会社員で、会社員として働いてお金を稼ぎ、生活をすることが当たり前だと脳に刻み込まれてきました。

そして、成人し、働く頃になると、自分も親と同じように会社員になっていきます。

また、恐らく、当分先は自分の子供も、自分が会社員なら同じように会社員になっていくことでしょう。

このように日本人はほとんどの人が会社員として生きて、これからも生きていくわけですが、日本人としての会社員はどのように始まり、そして、どのように変化していったのかを前知識としてお話していきたいと思います。

明治時代

まず、時計を巻き戻し、1868年、明治時代にまで遡ります。明治時代は、これまで鎖国していた日本が旧幕府を打ち倒し、明治政府によって開国された時代です。

明治政府は、これまでの鎖国体制とは打って変わり、西洋の制度や技術を積極的に導入する近代化政策を推進しました。

この過程で、政府や民間企業において、定期的に給与を受け取る「俸給生活者」や「月給取り」と呼ばれる人たちが登場しました。これが現在のサラリーマンの原型と言われています。

大正時代

大正時代に入ると、すぐに第一次世界大戦が始まりました。これによって欧米諸国からの輸出が減少したり、戦争に使われる武器や船舶などの需要の増加によって、日本の産業構造は大きく変化し、商業や金融業が発展しました。

これによって、事務職や管理職として働くサラリーマンが増えていき、都市部を中心に、サラリーマンは中産階級となっていきました。

また、1923年の関東大震災後、夫を亡くした女性が労働市場に参入するケースが増え、女性の事務職、いわゆる「OL(オフィスレディ)」が誕生したのも、この時代だと言われています。

昭和時代

そしてまだ記憶の新しい昭和時代です。昭和は、戦前、戦中、戦後と大きく生活が変化する時代でした。

まず、戦争が終わるまでの戦前・戦中の時代、サラリーマンは都市部の中産階級として存在感を増していきました。

しかし、第二次世界大戦が進行するにつれ企業も軍需産業への転換を余儀なくされました。これにより、サラリーマンは長時間労働を強いられたり、劣悪な環境で働かされたり、さらには生活必需品の配給制により必要物資も手に入らないという状態になりました。

そして皆さん御存知の通り、第二次世界大戦終戦後、日本は急速な復興と高度経済成長を遂げることになります。

この時期、企業は労働力の安定確保のため、僕たちがよく知っている、日本の雇用慣行、終身雇用制度や年功序列賃金が導入されました。

これによって、サラリーマンは安定した職業として広く認識されるようになったわけです。

また日本の高度経済成長は、サラリーマンの数を飛躍的に増加させました。「モーレツ社員」という言葉が生まれ、長時間労働や企業への忠誠心が美徳とされる風潮が強まっていったのもこの時代です。

平成時代

そして時代は平成に入っていきます。

日本はバブル経済の絶頂期を迎え、サラリーマンの生活水準も大幅に向上しました。しかし、1990年代初頭のバブル崩壊によって、経済は停滞し、企業はリストラや新規採用の抑制を行うようになりました。

これによって、「就職氷河期」と呼ばれる時期が生まれ、多くの若者が正規雇用の機会を得られず、非正規雇用やフリーターとして働く人たちが増えていきました。

また、この不安定な時代に、終身雇用や年功序列といった従来の雇用慣行も見直されるようになり、成果主義や能力主義が導入される企業が増えていきました。

さらに、2000年代以降、IT技術の進展やグローバル化の影響で、働き方の多様化が進み、在宅勤務やフレックスタイム制、さらには副業を認める企業も増え、サラリーマンの働き方は柔軟性を増していきました。

しかし、その一方で、過労死やブラック企業といった労働問題も浮き彫りになり、労働環境の改善が社会的な課題となりました。

令和時代

そして私たちが生きる時代、令和では、特に2020年以降の新型コロナウイルス感染症の拡大によって、サラリーマンの働き方に大きく変化しました。

多くの企業でテレワークが導入され、出社せずに自宅で業務を行う働き方が一般化しました。

これにより、通勤時間の削減や柔軟な働き方が可能となる一方で、家庭と仕事の境界が曖昧になるようになり、ネット上では妻の夫に対する辛辣な言葉が飛び交うようになりました。

また、政府も「働き方改革」により、労働環境の改善を進めようとしています。

まず1つ目は、2024年問題と呼ばれていた残業時間の上限設定です。 これにより、労働者の健康維持やワークライフバランスの確保が期待されていますが、その効果はほとんどないようなものです。

2つ目は、同一労働同一賃金の原則が導入され、正規雇用と非正規雇用の間の不合理な待遇差を解消する取り組みが進められています。これによって非正規雇用の待遇向上が期待されますが、抜け道がいくらでもあり、強制力がないのが実情です。

3つ目は、テレワークやフレックスタイム制、副業の推進など、柔軟な働き方が推奨されています。一部の公務員では週休3日制が導入されたところもあるみたいです。

また、令和から始まったわけではないですが、少子高齢化による労働力人口の減少による労働者1人あたりの負担の増加や社会保険料などの負担なども、問題となっています。これに対して、政府は外国人労働者の受け入れ強化や高齢者の就業促進などの対策をしています。

日本人としてのサラリーマンをまとめる

まとめると、日本人は明治時代からサラリーマンのような働き方をするようになり、大正時代から徐々にサラリーマンとして働く人が増え、中産階級としての存在感を出すようになりました。

昭和の高度経済成長には、年功序列、終身雇用と、中産階級としての地盤を固め、誰もがサラリーマンとなるようになりました。

しかし、平成になるとバブルが崩壊し、経済が不安定になったことによって、低賃金や不当に労働させるブラック企業が浮き彫りになるようになる一方で、IT技術の発展やグローバル化によりサラリーマンの働き方は柔軟になっていきました。

そして令和では、サラリーマンの働き方は多様になったものの、長時間労働や非正規雇用の問題など、まだまだ課題があります。

会社員の魅力はなくなりつつある

ということで、こんな感じで、日本においての会社員の歴史を話したわけですが、僕は以前と比べて会社員の魅力は薄れているのではないかと思います。

日本においての会社員の歴史を見ると、会社員は戦時中を除くと、中産階級としてある程度豊かになれるから、多くの人が望んで会社員になりました。

しかし、バブルが弾け、平成に入ると、長時間労働やサービス残業、パワハラ、薄給などを特徴としたブラック企業が表面化し、過労死や自ら命を絶つ人も出てきました。

現代は、高度経済成長期の工業化社会における、物を作り、輸出すれば儲かる時代でもなければ、終身雇用が確約され、給料が右肩上がりに増え続けることも保証されていません。

さらに言えば、円安により、会社員がもらう給料の実質的な価値は目減りしています。

そんな現代で、会社員で生きるとはどのようなことを意味するのでしょうか。

ということで、僕が浅い会社員経験から考える会社員で生きるとはどういうことかをお話していこうと思います。

会社員はどれだけ働いても人件費

まず、僕の貰っている給料は、額面で約22万円ほどで、手取りにして約19万円ほどです。

僕は会社員1年目ということもあり、自分が働いて生み出すお金以上の給料を貰っています。もちろん、これはとても有り難いことです。

話を戻して、例えば僕の勤めている会社では、10年働いている人は、ざっと年収500万円。15年も働けば、年収700万円になることができます。

これは一件、おお良いじゃないか、平均年収も超えてるじゃないかと、長く働くことで右肩上がりに給料が上昇しているように見えます。しかし、実際は少し違います。

僕の勤めている会社を含め、多くの会社では長く勤めれば勤めるほど、その会社に与える恩恵が多くなっていきます。

言い換えると、新入社員のときよりも、多くの売上を出す事ができるようになります。

これは会社にとっては当たり前であってほしいことと同時に、多くの場合当たり前に起こる現象です。

これが何を意味するかと言うと、日本の会社員は長く勤めるほど、成果とは反比例に成果対給料の比率が下がっていくということです。

日本の会社は良くも悪くも年功序列という考えが残っていたり、法律によって減給することが厳しく制限されていることや、バブル崩壊時のようにならないために内部留保を多くためようするなどの理由から、社員の給料を大幅に上げることをためらいます。

これは、長く勤めて、成果を多く出せるようになったベテラン社員も例外ではありません。

つまり、日本において、会社員の給料は成果が増えればその分給料が増えるわけではなく、むしろ成果に対して給料は相対的に下がっているということです。

具体的に年収300万円の新人社員と年収700万円のベテラン社員について考えてみます。

ちなみに、これは僕が勤めている会社の給与体系を参考にしているので、それなりの信憑性はあるのではないかと思います。

まず、年収300万円の新人社員ですが、彼は年間800万円の粗利益を出すことができます。一方、年収700万円のベテラン社員は2400万円の粗利益を出すことができます。

これを見ると、なぁんだちゃんとベテラン社員の給料は上がって報われているじゃないか!と思うかもしれません。

しかし、実際の粗利益に対しての給料の割合を計算すると、新人社員は37.5%、ベテラン社員は29.1%になります。まさかの生産性が低い新人社員の方が成果に対しての見返りが高いということになります。

例えば皆さんは、自分の成果に対していくら見返りが欲しいですか?言い換えると、100万円の売上を立てて、何割のピンハネだったら許せますか?

やっぱり自分で働いて得た成果なんだから、100%ほしいですよね。しかし、この100万円は自分一人の力で稼いだわけでは有りません。この100万円はあくまでも会社の名前を借りて稼げたお金です。

なのでもちろん100%とはいきません。じゃあせめて半分の50%は自分の給料にしてほしい。と思いますよね。しかし、そんなに払ってくれる日本の会社は多くないのが現状です。

一般的には、業界により異なりますが、おおよそ粗利益の20〜30%が給料になると言われています。

会社員はどんなに頑張っても、この低い水準の還元率で働き続けなければいけません。またさらに、働けば働くほど還元率が下がっていくという残酷な真実もあります。

結局、このことから何が言えるかと言うと、会社員はどれだけ働いても人件費であるということです。

あなたが3万円の成果を期待されて、1万円の日給で雇われているとします。つまりこれは、会社が33%の還元率であなたを雇っているということです。

しかし、あなたの働きぶりが良く、5万円の成果が出ました。会社は5万円の33%、16500円の日給をくれるでしょうか。 

答えはノーです。あなたがどんなに頑張って成果を上げようとも、会社は決められた額しか支払いません。

もちろん、多くの会社が1年に1回の昇給や昇進の機会を設けているでしょう。しかし、その時の昇給は新人のときと同じ還元率で上がるでしょうか。

皆さんお察しの通り答えはノーです。より多くの成果を出せるようになったのに、会社はより多くのピンハネするようになるんです。額面は増えていても、働くほどピンハネ率は高くなっていくんです。

会社員で生きるということは、一生会社の人件費として生きていくということです。

会社員は安定という名の衰退

しかし、会社員はよくこういう風に言われることがあります。会社員は安定していると。では、本当に会社員は安定しているでしょうか。

確かに、明治時代、大正時代に中産階級としてサラリーマンは増えていきました。そして昭和時代になり、高度経済成長を迎えると、「年功序列」「終身雇用」という神器でその立場を確実なものにしていきました。 

ところが、平成初期、バブルは崩壊し、その神器も維持することが難しくなりました。この時から、会社員は、働けば働くほど給料が増えるというわけではなくなってしまいます。

もちろん会社員は安定して給料が振り込まれます。どんなに売上が少なくても、はたまたどんなに売上が多くても、毎月決まった額が口座に振り込まれます。

しかし、近年日本人は気がついてしまいましたよね。他の先進国と比べて圧倒的に貧しくなっていることに。

あの中国が、日本で爆買いをするようになったのは、かれこれ10年前ほどですが、その当時はなぜ中国人が爆買いしていたのかそこまで考えていなかったと思います。

ちなみに、僕はその当時、中学1年なので当たり前なのですが。

ところが最近、やれ戦争やら、やれ円安やらで一気に物価高が進み、そしてコロナが明けたと思ったら一気に外国人観光客が押し寄せました。

そして、世間が騒ぎ始めます。日本は他の先進国と比べて圧倒的に貧しくなっていると。

そう、僕たちがずっと安定だと思っていた会社員は、この30年間、安定に見えていて、実は衰退していたんですね。

このことから、会社員はもはや安定した給料をもらい、中産階級としての立場を維持するような存在ではなくなってしまいました。

つまり、会社員で生きるということは、安定しながら徐々に衰退するということです。

会社員は自由になれない

一方、会社員は会社のお金を使って挑戦することが出来るじゃないか?リスクゼロで転職活動をして、良いところが見つかれば転職するという良いとこ取りも出来るじゃないか?という声もあると思います。

確かに会社員は、自分が身銭を切ってリスクを背負うことはないですし、興味が変われば、転職する事もできます。

しかし、先程話したように、会社員は約70%ほどピンハネされ続ける人生で、さらに働けば働くほどピンハネ率も上がるという残酷な職業です。

確かに会社員でいることは自分がリスクを背負うことはほとんど無いですが、いつまで経っても自由になることはできません。

どんなに働いても、7割もピンハネされ続けたら、会社を辞められるような資産は貯まりません。

むしろ、給料を増やそうと働けば働くほど、長時間働くことになり、夫婦関係はうまくいかず、自分の趣味も充実せず、子どもの運動会も観に行くことができない。

ピンハネ率は上がり続け、給料は思いの外上がらず、結局定年まで働き続けたら、熟年離婚を切り出される。

そんな、自由とは縁の遠い人生を送ってしまうことになります。

一部、会社員で働くことに意味を見出している人を除いて、多くの人が、会社員にこだわって働きたいとは思っていないと思います。

できれば、短い時間で働いて、多くのお金を得たいと思っていると思います。

だから世の中では、大きなレバレッジをかけて株取引で失敗する人や、自分で考えず誰かに頼み銀行窓口で手数料を取られる人や、暗号資産に全財産をかけて全てを失うような人たちが後を絶たないんですね。

短い時間で多くのお金を得ることはほとんどの場合できません。やはり、お金を稼ぐことはそれなりに時間がかかってしまいます。

しかし、そう言っても、短い時間で多くのお金を得たい人が7割もピンハネされる会社員をやっていて自由を手に入れることが出来るのでしょうか。

会社員で生きるということは、見せかけの安定と引き換えに自由を失うことです。

僕はなぜ会社員をするのか

とまぁ、色々会社員で働くことのマイナス面をつらつらと語ってきたのですが、実際僕はその会社員をやっています。

ではなぜ僕は会社員をやるのでしょうか。それは一言で言えば「生きるため」です。

やはり、この社会で生活する以上、この社会システムの中で生きていかなくてはいけません。そのうえで、お金を稼ぐということをしなければ生きていきくことができません。

ほとんどの人にとって、とりあえずお金を得る手段としては会社員がベターだと思います。

ここで僕の昔話をさせてください。

僕は小学5年か6年の頃、YouTubeでゲーム実況者を見て憧れていました。その頃、自分も将来はゲーム実況者になりたいと考えていました。

しかしパソコンを持っていなかったことから、中学1年までは台本を考えたり、こんなゲーム実況をしてみたいと日々構想し、友達にも良くそんな話をしていました。

ところが思春期に入り、やりたいことを語るのが小っ恥ずかしくなってくる頃、YouTuberはどうやら才能のある人にしかできないらしい、という風潮が強くなったこともあり、次第に夢を語ることがなくなりました。

今僕は日々、SNSで情報発信をしています。昔夢見ていたゲーム実況者ではありませんが、自分がやりたいことをしています。

しかし、自分がやりたいことをやれているのは、経済的に安定していて、SNSをやる余裕があるからです。

それはやはり、会社員をやっているおかげです。

会社員一本で生きようとすると、中々将来に良いイメージをすることができませんが、会社員はあくまでもお金を稼ぐ1つの手段にすぎず、自分ができるお金の稼ぎ方を多様化させるのが、これからの時代必要なのではないかと思います。

まとめ

ということで、会社員1年目が語る、会社員で生きるとはということを話してみました。

今回僕が最も伝えたかったのは、会社員はどこまで言っても、会社の人件費ということです。僕たちは、どんなに働いても一定の給料しかもらえません。

むしろ働けば働くほど、利益に対しての給料の比率が低くなり、ピンハネされる量が増えていきます。

しかし、本当にそれで良いのでしょうか。自分の価値を会社に決めさせて良いのでしょうか。

そして、自分の人生を会社員一本に投資し続けていいのでしょうか。

今回は、僕自身が会社員であり続けるってどうなんだろうという自問自答のような内容をお話しました。

もちろん、あくまでも僕の考えですし、まだまだ言葉足らずなところや、解像度が低いところもあると思います。

しかし、この話が誰かの参考になると嬉しいです。

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